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web制作で学んだことを記していきます

Creative Cloud道場 懐テク#2 Flash編に参加してきてのレポート

先日9/7(木)に開催された、HTML5Experts.jp主催の「懐テク#2 Flash編」というトークライブに参加してきてのレポートです。

省略している箇所もあります。また誤っている所もあるかもしれませんので、正確に知りたい方はYouTubeに動画が上がっていますのでそちらをご覧頂ければと思います。

www.youtube.com

ちなみに私はFlashの使用経験はありますが、web業界に入ったのが2012年でその頃にはFlashの盛り上がりは衰退化しており、デザイナーとして簡単なFlashバナーを作成していた程度です。
ActionScriptもタイムラインをジャンプさせたりループさせたりする程度で、ほとんど初学者レベルではありますが、エンジニアとして働いている今、当時のFlashコンテンツの表現力は今見てもやはりすごいと感じており現/元Flasherの人たちは私の憧れの的です。

そんな方たちの中でも第一線で活躍されていた方たちの話を、Flashをテーマとして生でがっつり聞けるのは貴重な場と思い参加した次第です。

それでは下記箇条書きですがレポートになります。


<目次>

なぜFlashは流行ったのか

流行った時期

  • 盛り上がりは3回ピークがあった。
    • 1回目はver4、5のとき、中村勇吾さんのYUGOP.COMが公開された時期(98~2000年頃?)。 軽量のサイズでダイナミックなアニメーションがWeb上で見れた。
      • ちなみにFlashが流行る前はDirectorで作成されたデータがCD-ROMに入っていたマルチメディアコンテンツがインタラクティブコンテンツとして知られていた。
        • DirectorはFlashと似た機能を持っていたが決定的な違いは画像フォーマットがビットマップだったこと
        • Flash PlayerよりもShock Wave Playerの方が知られていたが、Flash Playerの方が軽量だったため徐々に形成が逆転した。
    • 2回目はflvができて軽量にビデオ再生ができるようになった時期。 それまでは動画の再生はWindows Media PlayerやReal Playerなどの重いプラグインを入れないと再生できなかったが、Flash Playerは非常に軽量だったためビデオ再生プラットフォームとして普及した。(当時はマシンパワーも非力だったため軽量というのは重要)
    • 3回目はフルFlashサイトの流行。動画を加工したり、AS3で高度なスクリプティングができるようになりFlashだけでひとつのサイトが作られるようになった。そのインタラクティブ性や表現力はおもにプロモーション系の広告系のコンテンツで威力を発揮した。

文化的背景

クリエイティブとFlash

  • 広告系、企業のプロモーションサイトなどで活用され一番Flashが盛り上がった。
  • サイトのシズル感(文字の点滅や効果音など)を演出できるのがFlashの重要な要素。
  • クリエイティブ系のサイトで今も見れるサイトはこちらにまとめられている。https://ics.media/entry/16171
    • FONTPARK 2.0 | MORISAWA http://fontpark.morisawa.co.jp/
    • THE ECO ZOO | ECODA!DOBUTSUEN http://ecodazoo.com/
      • WebGLがなかった当時、3Dというだけですごいが非常に軽量でかつ見た目も繊細に作られている。
      • 通常3Dを作るときはpaperVision3Dなどのフレームワークを使うが、作者の城戸さんは仕組みから自分で作っている。そのためフレームワークを使用して同じものを作ろうとしてもおそらくここまで軽量にはならない。
      • 木の葉のボケは事前にキャッシュ化させて軽量を図るなど、当時としてはだいぶ先を行く技術を使っている。
  • 日本のFlashのクオリティは世界的にもレベルが高かった。
  • しかし何よりもFlashが優れていたのは簡単にアニメーションを作ることができること。イラストレーターやアニメーターが最初に飛びつき、その後テレビや映画でもアニメーションの表現として使われた。
    • 有名どころでは「おしりかじり虫」や「鷹の爪団」など。
  • テレビのテロップや、Play Stationゲーム(一部分)、居酒屋のメニューなどのユーザーインターフェースでも使われていた。
  • ガラケーではFlash Liteが使われた。
    • Flashは軽量なのでガラケーなどの非力なデバイスでもリッチコンテンツが作ることができた。
      • Flashは重いとよく言われるが、テクノロジーとしては極限まで小さくできるものであった。
    • Flash Liteは(ファイルサイズを圧縮する等)独自のノウハウがあったため、PC用のFlashを作る人とは分かれていることが多かった。
  • アニメーションで表現できることに利点がある教育系コンテンツはFlashで作られているものが多かった。(登壇者の沖さん作:地球と気象 http://www.jst.go.jp/csc/virtual/earth/climate/index.html
  • Flashは素材の作成から演出まで一人で全部行えたことから、作家性が表れやすかった。

Flashのコミュニティ

  • ひとつのツールについてみんなが定期的に集まって勉強会をするという文化は、Flashが非常に盛んだった。
  • それまでは制作ノウハウは割と企業秘密なものだったが、Flashのコミュニティが盛んになるにつれてオープンになっていった。
    • そのオープンスペースとして一役を担ったのが、当時高校生だった新藤愛大さんが立ち上げたSparkProjectというオープンソースコミュニティ。http://www.libspark.org/
      • 「皆でソースコードやノウハウを共有して、幸せになろうよ」がテーマ。現在ではGitHub上で行われていることが、10年前から行われていた。
      • Flasher界の著名人も参加していき、ライブラリも拡張されていき、Flashシーンと共に盛り上がっていった。
  • 当時、デモなどの小さな作品を自分のサイトで公開する人たちがたくさんいた。
    • 現在はCodepenやQiitaで行われている。
  • Flashというひとつプラットフォームを通じて、違う分野の人たち(広告系サイトを作る人、業務系アプリケーションを作る人、モバイルゲームを作る人など)との交流もあり、新たな刺激が得られた。

Flashの拡がり、そして現在に至るまで

  • Flashの盛り上がりと同時にFlashの普及率が大きく上がり企業の業務系アプリケーションに取り入れられやすくなった。
    • 当時はブラウザごとの挙動の違いが大きかったため、Flash Playerの互換性が高いのはありがたかった。
  • Flexmxmlという言語で画面を構成し、プログラミングにはActionScriptを利用するフレームワーク現在のReact.jsやAngular.jsに近い。保守性が高いため業務系アプリケーション、RIA(Rich Internet Application)の分野で使われていた。
    • 業務系アプリケーションにFlashならではのイージングなどのリッチな演出が施されるようになりエンターテイメント性が生まれ、業務アプリの世界に一石を投じたのではないか。

ActionScriptとECMAScipt

iPhone

FlashAppleのビジネスを阻害する?
  • Flash Playerを搭載すれば結果としてApp Storeを経由しなくてもブラウザ上でゲーム(アプリ)ができることになり、Appleの利益は減る。

衰退

今後のwebを占う

Flashの現状と今後

  • 2020年でFlash Playerのサポートが終了するがAdobe AIRは今後継続してサポートされる。
    • Adobe AIRiPhone/Androidアプリのデプロイが可能。
      • 先述したサードパーティ製アプリ禁止が緩和された。
      • 作りやすいプラットフォームなので個人で開発するのに向いている。
  • 新たにFlashを学ぼうという人はいないと思われるので、Flashの盛り上がり復活は現実的に難しい。

webGL

  • Flashのように初心者が扱うにはハードルが高すぎる。
    • 学習曲線も上がりにくいため、みんなが使えるようになり開発者が増えてFlashのような盛り上がりになるのは現状難しいのでは。
  • エンドユーザーに快適に使ってもらえるようにするための周辺技術の理解が必要。

まとめの一言

  • Flashがどのように衰退していったのかは、Flashの好き嫌いにかかわらず知っておくべき。
    • 政治的理由やプロパガンダによる技術の盛衰は今後どの技術にもあり得る。その中で培ってきたノウハウを次へ生かしていく視点を持っておくことが大事ではないか。
  • 今の時代、昔よりも作る側が大変という意見もあるが、表現力の面では少しずつFlashに追いついてきている。Flashで培われたノウハウやライブラリを知っておくと、今後のコンテンツ作りにも生かせるのではないか。
  • Flashはあくまでもツールで手段であるが、Flashのコミュニティがあったおかげで生まれたものがある。こういった面白い時代があったということを今後の若い人たちに伝えて頂きたい。

参加しての感想

Flashというひとつの技術の黎明期~現在まで網羅的な話を聞くことができました。これまでこういった技術の歴史を詳細に知ることはなかったので思っていた以上に面白かったです。

Flashの使いやすさと表現力の高さがあってみんなが飛びついたことからここまで盛り上がったということで、当時の盛り上がりを体験できなかったのは残念ですが、現在も少しずつ新たな技術で盛り上がりが発達してきているように感じます。
自分も小さな作品でもアウトプットしながらそんな盛り上がりに混ざりながら楽しく表現力、技術力を磨いていきたいと感じました。